中学生あつまれ!ミライに広がる進路講座


 「親が建設関係の仕事をしていて興味があった」、「モノづくりが大好き」――そんな理由で建設業での職場体験を選んだ2人の生徒。実際の建築現場で大工の仕事を体験した彼らの様子をご紹介します。

 この日現場では小屋の建設が行われており、依頼主の方のご厚意で生徒たちも作業に参加することに。プロの技術を間近で見ながら、建設業の奥深さを体感しました。



 まず挑戦したのは、火打梁(ひうちばり)の取り付けです。火打梁とは、木造建築において床や屋根を支える骨組みを補強する斜めの部材で、台風や地震による水平方向の変形を防ぐ重要な役割を担っています。
 職場体験を受け入れた建設会社の社長・中西さんからナットの締め付け方を教わった後、生徒たちは脚立に上がって部材の固定作業に取り組みました。




 「硬くてナットが全然回らない。」
 最初は思うようにいかず苦戦していましたが、コツをつかむにつれて現場には、ギュッ、ギュッとリズミカルなナットを締める音が響くようになりました。




 続いて体験したのは、高い場所で作業する大工さんへの材料運びです。木材や断熱材を運ぶ手伝いをしましたが、2人がかりでやっと運んだ重い木材を、大工さんは1人で軽々と運んでいきます。
 「大工さんはとても力持ちでした。僕たち2人じゃないと運べないものを、片手で持ち上げていて、ものすごい力だと思いました。また、高いところでの作業も簡単にこなしていて、本当にすごいです。」
 プロの実力を目の当たりにした生徒は、自分たちとの差に驚きを隠せない様子でした。


最後に挑戦したのは、L字金具を柱にビスで固定する作業です。大工さんの手本を見た後、いざ実践してみると…。





 「見ている以上に難しかった。」
 ビスを金具の穴に合わせて垂直に立てる——この最初の段階から大苦戦。何度もビスが倒れてしまいます。

 「しっかりとビスを固定して、真上から力をかけて、何回かに分けて打ってみて。」大工さんからアドバイスを受けながら作業を続けていると、重要な言葉をかけられました。
 「金具はきちんと付けないといけないよ。お客さんの命に関わるから。だからビスはちょっとでも浮いていてはいけない。最後までギュッと締めないと。」
 この言葉を聞いた生徒たちは「責任重大だ。全部しっかり確認しておこう!」と、建物をつくることの責任の重さを実感したようでした。

 一方で、自分たちが必死に格闘している作業を軽々とこなしていく大工さんの技術には目を見張るばかり。生徒は「とても難しいビス打ちを、大工さんは簡単に打っていて、本当にびっくりしました!」と話していました。




 職場体験を終えた2人の生徒に感想を聞きました。
 「初めての経験ばかりで、『結構重いな』とか『難しいな』ということがたくさんありました。でも、とても楽しかったです。『上手になってきたね』って褒めてもらえた時は、すごくうれしかったです。」
 「正直、働くことは楽しくないものだと思っていました。でも職場体験をして、楽しいということがわかりました。作業だけじゃなく、お客さんが喜んでくれるのを直接感じられるのもよかったです。」

 今回の職場体験を通じて、生徒たちは仕事の技術的な側面だけでなく、働くことの「やりがい」と「責任」について深く学ぶことができたのではないでしょうか。


西城建設株式会社
代表取締役 中西 利実 さん

 中学生に伝えたいことを尋ねると、中西さんは「先を考えて進むこと」とおっしゃいました。「建設現場では、『この後サッシを入れるから、ここは金具をつけないでおこう』とか、常に数手先の工程を考えて動かなければなりません。この先読みの力で、工事の進み具合や安全性が大きく変わるんです。」



 また、「助け合うこと、チームワークも大事」と中西さんはおっしゃいます。「現場では大工さん、電気工事士さん、配管工さんなど、たくさんの職人さんが働いています。みんな専門が違うけれど、一つの建物を作るという同じ目標に向かって協力しているんです。困っている人がいたら手を貸す。学校でも、家でも、お互いに支え合うことが大切だと思います。」
 最後に中西さんは、生徒にこんな言葉をかけていました。「毎日仕事に行くのが楽しいって思える職業に就いてほしいな。君たちだったら見つけられるよ。」


西城建設株式会社





 岡崎市に拠点を置く西城建設は、自然素材の魅力を引き出す「木の家」にこだわり、人にも環境にもやさしい日本ならではの伝統的な家づくりを追求しています。東濃檜や漆喰、和紙などの自然素材を活用し、顧客とのコミュニケーションを大切にしながら、高品質で癒される暮らしを提案する住宅会社です。

(令和7年9月取材)


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