「これも市役所の仕事⁉」
市民の暮らしと密接にかかわる市役所。ここで3日間、3人の生徒が市役所の仕事を学びました。
初日と2日目は、小牧市の魅力発信や祭りの企画・運営などを行う『シティプロモーション課』の仕事を体験。そして取材に伺った3日目は、国指定の史跡である小牧山を管理する『小牧山課』で職場体験を行いました。
国指定の史跡 小牧山(画像提供:小牧市教育委員会)
今回の発掘調査場所 見上げると山頂にある小牧山歴史館が見える
午前中は、小牧山の発掘調査の体験です。
生徒たちが発掘するのは、『大手道(おおてみち)』という山のふもとから山頂のお城に行くためのメインの道があったと推定されている場所。織田信長や徳川家康の時代に造られた道の痕跡を探すのが、今回の発掘調査の目的です。半年以上の期間をかけて行われます。
生徒たちは、30人ほどの作業員とともに発掘調査にあたりました。
小牧山には重機が入れないため、すべて手掘り。スコップやくわでひたすら掘り進めていきます。
「発掘」と聞くと、へらなどで繊細に掘り出す作業をイメージするかもしれませんが、作業の大部分はスコップで土を掘って一輪車で運ぶ作業。また、掘るといっても穴を掘るように一気にザクっと掘るわけではありません。土を一層一層はがすように削っていきます。そのためとても時間のかかる作業なのです。
生徒たちは、職員や作業員に道具の使い方や掘り方を教えてもらいながら、黙々と掘り続けました。
しばらく掘ると、土の中に何かが…。
「これは!」と思いましたが、よく見るとガラスでした。なかなか簡単に遺物(いぶつ:昔の人が使っていた器など)は見つかりません。
「発掘でめぼしいものは出てこなかったけど、楽しかった。」、「何かあるかもという思いで掘っていた。発掘のやりがいが感じられておもしろかった。」と、生徒たちは発掘調査の魅力、奥深さを感じているようでした。
3時間ほど行われた発掘調査の体験。生徒たちの感想は?
「市役所で発掘調査の仕事をしているとは思わなかった。作業は思ったよりも体力がいるし、力仕事でへとへと。疲れた。」と、市役所の仕事が幅広い分野にわたっていること、また、発掘調査の大変さを身をもって学んでいました。
続いて午後は、小牧山の歴史が学べる施設「小牧山城史跡情報館『れきしるこまき』」で夏休みに開催されるイベントの準備をお手伝い。
小牧山城史跡情報館『れきしるこまき』
イベントの参加者が体験する『拓本(たくほん:土器の模様を、墨を使って和紙に写し取る作業)』で使用する教材を作りました。
土器に見立てたすり鉢の破片に和紙を貼り付けます。模様をくっきりと浮かび上がらせるには、すり鉢と和紙を密着させるのがポイントということで、和紙に霧吹きで水を吹きかけ、空気を抜いて和紙をテープで固定していきます。
「集中を切らしたら、濡らした和紙が破れてしまう。」と、一言もしゃべらずに作業する生徒たち。60個ほど作り終えると、「できたー!」とほっとした表情を見せました。
この日は他に、小牧山で倒木や枯れ木がないか見回りをしたり、『れきしるこまき』を見学したりしました。
「職場体験をして、小牧山の歴史を学ぶことができた。小牧山課の人たちは、いろんなことを知っているし、『れきしるこまき』でも、一つの展示に対してたくさん説明してくださった。いろんな気づきや学びが得られ、歴史について興味が湧いた。」、「明るく優しい職員の方たちが街を支えていることがよくわかった。」、「将来、市役所で働きたい。」と、地元の歴史、そして市役所での仕事にも関心が高まったようです。
小牧市役所 小牧山課
学芸員 田中 芳樹さん
「市役所は幅広い仕事をやっているんだということ、そして、地元の歴史、発掘調査やそこから出てきた遺物に触れてもらって、自分の住んでいる土地にはこういったものがあるんだと知ってもらえたのはよいことだと思う。」
このように話す田中さんは、職場体験を、中学生があまり知らない市役所の業務、そして小牧山課の仕事内容を理解してもらうよい機会と捉えています。
また、「小牧山の歴史を伝えていくのも市役所職員である私たちの仕事なので、中学生に改めて知ってもらえてうれしい。」とも話していました。
人生の先輩として、田中さんから中学生へメッセージをいただきました。
「職場体験や身近にいる大人の話を聞いてみて、これからたくさんの選択肢があると思うが、将来なりたいもの・やりたいことを見つけて、それに向かって頑張ってもらいたい。」
小牧市役所 小牧山課
市を代表する文化財である国指定史跡小牧山の発掘、調査及び研究や周知活動、また、市民の憩いの場として親しまれている小牧山を安全・快適に利用してもらえるよう、維持管理業務などを行っている。
(令和7年5月取材)





