中学生あつまれ!ミライに広がる進路講座


 消防士の仕事を体験したのは4人の生徒。名古屋市瑞穂区にある『名古屋市消防局本部機動部隊特別消防救助隊第四方面隊』で、2日間にわたり、消防車の見学、放水や救助などの訓練を体験しました。


 2日目に行われた放水体験。「放水始め」の号令がかかると、腰を落として足を開き、手元のレバーを動かして、的となるカラーコーンに向けて放水を開始。ホースから勢いよく出る水の力の強さに、思わず「お~!」と驚く生徒。ふらつく体を隊員に支えてもらって一人ずつ放水訓練を行いました。




 続いて体験したのは救助訓練。スモークマシンで煙を充満させた倉庫から救助者に見立てた人形を探し出します。
まずは、隊員が実際に着用している防火衣(ぼうかい)と煙の中で呼吸するための空気呼吸器を、隊員の手を借りながら装着。




実際に使用している防火衣をまとう生徒たち 表情もキリっと見える
その姿に隊員からは「雰囲気が出るな~」という言葉がかけられた


 ちなみに防火衣の重さは約10キロ、背負う空気ボンベも約10キロ。なんと合計20キロの装備を消防士は身につけているそうです。
 生徒たちが「重くて動けない」と弱音を吐くと隊員からは「この状態でホースやはしごを運んで消火活動をしたり、人を救助したりするから、まだまだ重くなるよ。」と。それを聞いた生徒たちは悲鳴を上げていました。


 

 視界の悪い火災現場では、建物内で迷わないよう隊員同士がロープでつながっているそうで、今回の訓練では4人が1本のロープでつながり、実戦に近い形で行われました。


空気マスクもつけて準備完了!





準備を整え火災現場に見立てた倉庫内へ入る生徒たち

真っ暗な倉庫に入る生徒たち
外では隊員が生徒をつないだロープを持ち指示を出す


 待つこと数分。「要救助者発見。救助します。」倉庫の中にいる生徒から無線が入りました。外で待つ隊員が声を掛けながらロープを引っ張り、出口の方向を伝えます。生徒たちは救助者に見立てた人形を抱えて建物の外に戻り、無事救助が成功しました。



 体験を終えた生徒たちは、「視界ゼロで何も見えなかった。」、「手の感覚だけで人形を探さなければならず、触ってもどれが人形かわからなかった。」、「4人がロープでつながっているので、身動きが取れない中で救助するのは難しかった。」など、消防士の仕事の大変さ、難しさを身をもって実感したようでした。








 この他に生徒たちは 2階からの救助や放水、鉄パイプの切断など、本番を想定しながら続けている日々の訓練を見学
 また、水平に張ったロープにぶら下がった状態で腕力だけで渡る訓練も体験した


 隊員たちの緊迫感あふれる救助訓練の様子を間近で見学し、自分たちも実際に様々な訓練を体験した2日間。今回の職場体験から生徒たちはどんなことを感じたのでしょうか。
 ある生徒は、「職場体験に来る前は、消火することだけが消防士の仕事だと思っていたが、救助や救急、火災原因の調査などもすることを知った。仕事はひとつだけじゃなく、いろんな役割から成り立っていることが実感できた。」と消防士の仕事内容について理解を深めていました。
 また、「命がけで人を助ける姿がかっこよくて、消防士になりたいと思っている。訓練を体験して、思ったよりも大変な仕事だということがわかったので、もっと勉強や運動を頑張って夢を叶えたいと思う。」と、将来の夢を再確認することができた生徒もいました。



名古屋市消防局本部機動部隊特別消防救助隊第四方面隊
隊長補佐 守口 洋さん


 職場体験を終えた生徒たちの様子を尋ねると、「表情がキラキラしていたので、充実した体験ができたようでよかったと思う。」と守口さんは話しました。
 また、消防士の仕事体験や消防士との対話から「人の命を預かる消防の仕事の重要性を少しでも感じてもらえれば。」と、思いを語ってくれました。
 最後に守口さんは、「2日間の経験から、彼らの進路の選択肢に消防士を加えてもらえればうれしい。」と、未来の消防士が誕生することを期待しているようでした。



名古屋市消防局本部機動部隊特別消防救助隊第四方面隊



 

 鉄道事故や超高層ビルの災害、震災など、より危険な場所での災害救助に対応する特別消防救助隊。通称「ハイパーレスキュー」と呼ばれている。


 名古屋市内には5隊(中川区、西区、北区、瑞穂区及び港区)が配置。それぞれが特別部隊として、水難災害、地下災害、高所災害、交通機関災害、毒劇物その他の化学薬品及び放射性物質による災害など、様々な災害に出動している。
 瑞穂区にある第四方面隊の主な任務は、「交通機関災害救助」。交通機関災害対応に必要な装備、一般的な救助資器材や高度救助資器材が配備されており、5人一組のチームで24時間勤務を一日おきに行っている。




【第四方面隊に配備されている特殊装備:クレーン車】
最大吊上げ能力20tのクレーン装置を装備 主に重量物排除の任務を担う


(令和7年1月取材)


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