中学生あつまれ!ミライに広がる進路講座

 酪農家の仕事を体験しようと、西尾市花蔵寺町の小笠原牧場に5人の生徒がやってきました。牛を触ることが初めてという5人は「動物と触れ合いたい」、「動物を育てる仕事について知りたい」、「動物嫌いを克服したい」などの理由から、職場体験で酪農を選びました。

 体験2日目。この日は生後30~40日の子牛を、哺乳場所まで移動させる作業から行いました。


 子牛といっても、体重は40~50キロ。子牛につないだロープを引っ張って移動させますが、力が強いため思うように動いてくれず、生徒たちは大苦戦。中には暴れだす子牛もいて、怖さのあまり離れたところからじっと見ている生徒もいました。
しばらくすると「犬の散歩みたい」という声も聞こえ、生徒たちは短時間で子牛の扱いに慣れたようです。

 次に行ったのは、移動させた子牛の部屋の掃除です。汚れた仕切りを水洗いしますが、生徒たちは仕事に集中できない様子。その様子をみた牧場の方からは、「仕事は子牛にミルクを飲ませたりする楽しいものばかりじゃないよ」と、仕事の大変さを伝えていました。



 午後からは、チーズ作り。
 牛乳を固めたカードと呼ばれるものを熱湯につけて練ります。これを引っ張って折りたたむ工程を繰り返し、冷やせば、さけるチーズの完成。できたてを試食した生徒たちは、「おいしい、おいしい」と牛乳本来のおいしさを発見できたようです。


 3日間の体験で、生徒たちは搾乳やエサやりなど、牛のために毎日欠かせない仕事を知ることができました。

 酪農の仕事を体験した感想を生徒たちに聞くと、「一番大変だったのは、搾乳。牛に蹴られたし、搾乳の機械が重かった。」、「子牛が思ったより大きくて、暴れたときは怖かった」、「牛は犬や猫と似ているところがあって、かわいかった。お気に入りの牛も見つけた」などと話してくれました。
 また、生徒たちは、「牛は家族、人間と対等な関係」という牧場の方の言葉を聞き、どのような思いで牛と接しているか改めて知ったようです。





 職場体験を受け入れた「有限会社小笠原牧場」の小笠原優子さんと夫の小笠原有都さん。
 これまで多くの児童・生徒を受け入れてきましたが、「搾ったばかりの牛の乳が温かくてびっくりした」という感想を持つ子も多くいたそうです。
 今回も小笠原さんが、「食品残さ(ざんさ…食品、調味料、飲料などの残りかすなど)を乳に変えてくれる牛の力」について説明すると、生徒たちは驚いていました。

 また、「実は中学生たちの先輩が今年この牧場に就職しました。同じように職場体験をして、それがきっかけで酪農の仕事を目指してくれました。」というお話もありました。
 最後に職場体験を受け入れた思いを小笠原さんに伺いました。
「普段見ることのできない場所での体験をとおして、知らないことを知る喜び、知ることの大切さを感じてもらい、また、牛がどう育っているか、働く人はどんな思いでいるのか、食や酪農の世界についても知ってもらいたい。」


有限会社小笠原牧場


 西尾市で約420頭の牛を飼育する西三河最大級の規模を誇る牧場。
 地域から出る食品副産物や食品残さ(ざんさ)を飼料に使うなど「資源循環型酪農」に取り組んでいる。
 また、大学生の研修やインターンシップ、海外の研修生の受け入れを行い、新たな酪農家の育成に力を注ぐかたわら、小・中学生の受け入れ等も行い、酪農をとおして、食や仕事などについて知ってもらおうと力を入れている。

有限会社小笠原牧場 ホームページ

ちなみに・・・

 生徒たちが体験に訪れた日に子牛が産まれ、「りんご」と「てん」と名前を付けました。
 名付け親となったことでより愛着が湧き、子牛のそばを離れず、ずーっとなでている姿が印象的でした。


産まれたばかりの「てん」。頭にてん(点)のような模様があることから名付けたそう。



(令和6年6月取材)


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