サポート施設におじゃまします!


看護職のみなさんの「私らしく、働く。」を幅広くサポート
全国初の「スポットナース支援事業」を開始

 愛知県ナースセンターでは、看護職を対象に無料の職業紹介や再就職支援、各種相談など、幅広いサポートを行っています。
 今回は、看護職のみなさんの多様な働き方や復職などを後押しする同センターの活動内容や全国の都道府県ナースセンターの中でも初の試みとして令和7年7月からスタートした「スポットナース支援事業」について詳しくご紹介します。


求職者を支援する幅広いサポートを展開

 愛知県ナースセンターは、国が定めた「看護師等の人材確保の促進に関する法律」に基づいて平成5年に開設された施設です。現在は全国47都道府県ごとにナースセンターが配置されており、愛知県ナースセンターにおいても、県内の医療行政全般を司る愛知県保健医療局医務課をはじめ、各地域の自治体や医療機関、医師会などと連携を図りながら、看護職の人材確保に向けた幅広い支援を展開しています。

 同センターの事業のうち、大きな柱の一つとなっているのが「就業促進」です。看護職の仕事の仲介・あっ旋を行うため、「eナースセンター」と呼ばれるシステムに求人先も無料で登録し、新たな働き手を探す施設と仕事を求めている求職者をマッチングさせる無料職業紹介を行っています。

 また、看護師長などのマネジメント経験を持つ看護職やキャリアコンサルタントが相談員を務め、仕事に関するさまざまな相談に応じています。医療現場での豊富な実務実績に加え、役職者としてスタッフの育成や指導に携わってきた相談員から、現場の実情に即した的確なアドバイスを受けられるのも大きな特徴です。

 さらに、病院や施設への復職を検討している看護職向けの研修やセミナーを定期的に開催するなど、その活動は多岐にわたります。看護職一人ひとりの思いに寄り添いながら、理想とする看護現場への就業をを後押してくれる、とても心強い存在です。


「eナースセンター」で自分の条件に合った求人を気軽に検索できる



60代からでも復職可能 ブランクを経て再び看護の現場へ


所長 認定看護管理者 横山 惠さん


 同センターの所長を務める横山惠さんは、「最近の求職者の傾向としては、40・50代を中心に中高年の利用が多い。」と話します。人材不足が叫ばれる中、昨今は看護教育のなかで高齢になるまで現役で働き続けるキャリア像が定着してきたこともあり、「60歳を過ぎた方がセカンドキャリアとして次の職場を求めるケースが増えてきました。」と横山さん。

 その一方で、子育て世代向けの福利厚生制度を充実させる医療機関が増えたことから、最初の出産を機に退職する人が減ってきているのも特徴だといいます。それでも、「最近では2人目、3人目を出産された後や、お子さんが小学校に上がるタイミングで子育てとの両立が難しくなって退職するケースが多くなっています。」と横山さん。お母さんにとって、お子さんはいわば“ご自身の一部”のようなもの。「またいつか働きたい」と思う一方で、どのタイミングで子どもを預けて働きだしたら良いか悩んでいる人も少なくないのが実情です。

 そこで同センターでは、こうした心理面のハードルを払拭し、復帰に向けた悩み相談を受け付けるなど、きめ細かなサポートを展開。さらに「まずは短時間から、無理のない形で現場に戻ってみる。」ことができる制度として、新たに令和7年7月から「スポットナース支援事業」をスタートさせました。


履歴書なし・面接なしで 希望の職場を気軽に探せる「スポットナース支援事業」

 スポットナース支援事業は、スマホから手軽に応募が可能で、履歴書の送付や面接なども不要。1日単位・時間単位で気軽に求人応募ができるのが魅力です。応募から勤務までの大まかな流れや、病院・施設での仕事内容などが具体的に提示されるため、職場での業務内容をイメージしやすいのもメリットです。

 スポットナースを利用する際は、「e-ナースセンター」の登録と愛知県ナースセンターのホームページから事前登録を行います。すると、ナースセンターから登録者向けの求人情報が提供され、希望する条件の求人が見つかったら「e-ナースセンター」のシステムを利用して応募。その後、医療機関から応募者に直接通知が届く、というのが一連の流れになります。


1日単位 時間単位の求人に応募してスキマ時間を活用できる


 スポットナース支援事業の立ち上げに伴い、求職者の登録フォームや紹介フローの構築などに携わったキャリアコンサルタントの谷口智昭さんは「就職支援の中で日頃から利用しているシステムを活かし、利用者目線でどのような仕組みを整えれば使い勝手が良くなるのかを考え、細かな調整を図っていきました。」と振り返ります。


キャリアコンサルタント 谷口 智昭さん


 スポットナース支援事業を通じて応募できる業務については、採血、問診・診察の介助などで、応募できる年齢には制限が設けられていません。子育て期間中の方、復職前に現場を経験したい方、副業として働きたい方など、さまざまなニーズに対応した幅広い求人が揃っているのも特徴です。求人数も多いため、自分の希望に合った条件の職場を見つけやすくなっています。


まずはスポットで働き ブランク後に復帰する際の不安を払拭した人も

 スポットナース支援事業を始めた当初は、「休職中の看護職の掘り起こし」を想定していたそうですが、現在の登録者の半分以上は「非常勤で働きつつ、ダブルワークで他の施設でも働きたい」と考えている人だとのこと。一方で、ブランクを経て復職したいと考えている人が、自信を取り戻すきっかけづくりの場にもなっているそうです。

 相談員の渡辺真理さんは、「先日お会いした方は、就職先を探すなかで土曜日のみ働くスポットナースを活用していただいた後、別の施設で非常勤職員として復職されました。スポットナースを通じて久しぶりに採血を行うなど、まずは短期で仕事をすることが本格的に復職する際の自信や気持ちの余裕にもつながったようです。」と話します。


認定看護管理者 相談員 渡辺 真理さん


 スポットナースを利用した求職者からは「復帰する良い機会になった。」「看護協会からの求人なので安心。」といった声が寄せれている一方、看護職を迎え入れる施設からも「急に看護師が来られなくなった時にとてもありがたかった。」「お盆休みを取らせてあげたい時に代わりの人を募集できてよかった。」といった感謝の声が上がっているそうです。


担当者からのメッセージ

所長 認定看護管理者 横山 惠さん
 看護職を必要としている施設は、病院だけでなく、保育園や介護施設など、本当にたくさんあります。さまざまな選択肢がある中で、今もし何かしらの悩みを抱えていたり、辛い思いをしたりしながら働いているのであれば、ぜひ勇気を出して一歩を踏み出してみてほしいと思います。自分を必要としてくれる新しい場所を見つけるために、当センターをご活用いただければ幸いです。私たちがその一歩を全力でお手伝いします。

認定看護管理者 相談員 渡辺 真理さん
 看護職は気軽に始められる仕事ではなく、ご自身の条件が整っていないと、なかなか次の一歩を踏み出せないものです。だからこそ、お一人おひとりのご希望を丁寧に伺いながら、その思いを大切にして就業先を見つけていくよう心がけています。理想とする看護を追い求めながら、生活の糧となる収入も得られる看護職は、本当にいい仕事です。せっかく取得された看護の資格を、ぜひ有効に活かしながら、ご自身のやりたいことを実現していただきたいと願っています。

キャリアコンサルタント 谷口 智昭さん
 転職活動は、人生の中でも大きなターニングポイントのひとつだと思います。就職を支援する民間のサイトや仲介サービスもありますが、当センターでは看護職に特化した形で幅広いサポートを行いますので、より多くの看護職の方にご利用いただきたいと考えています。しっかりと目的を明確にしたうえで就職できれば、その後の業務にも必ずいい影響が表れるはずです。単に働く場所を見つけるだけでなく、働き始めた後もハッピーでいられるように、ぜひ当センターをうまく活用していただければと思います。



DATA


愛知県ナースセンターが入居する愛知県看護協会会館


公益社団法人 愛知県看護協会 愛知県ナースセンター
(名古屋市北区大曽根三丁目17番20号)

電話:052-908-7091
時間:午前9時~午後5時
休館:土・日曜日、祝日、年末年始


愛知県ナースセンター 名駅支所

住所:名古屋市中村区名駅4丁目4-38 愛知県産業労働センター(ウインクあいち)17階
電話:052-433-1173
時間:月~金曜日/午前9時30分~午後6時、土曜日/午前10時~午後5時
休館:日曜日、祝日、年末年始


愛知県ナースセンター 豊橋支所

住所:豊橋市駅前大通2丁目81番地 emCAMPUS EAST4階
電話:0532-52-1173
時間:午前9時~午後5時
休館:土・日曜日、祝日、年末年始

 愛知県ナースセンターでは、看護職の人材確保と看護職のみなさんの「私らしく、働く。」を支援するためにさまざまな活動を展開。看護を志す中高生や学生への進路相談、県内の看護系学校が集う相談会の開催、訪問看護の人材育成、55歳以上の「プラチナナース」が経験を活かして他施設を支援する取り組みなども行っています。

 名古屋駅と豊橋駅の近くにも支所を設け、就業相談や職業紹介を通じて県内の看護職が利用しやすい環境を整備。ハローワークと連携した巡回相談や就職相談会も実施しており、働く場を探す方を幅広くサポートしています。

愛知県ナースセンター

(令和8年6月取材)