岡崎高等技術専門校
ロボット産業を担う『ロボットシステム科』新設!
(普通課程:1年)
三河地域のモノづくり技術者・技能者の養成を目的とした岡崎高等技術専門校は、令和7年4月に三河高等技術専門校へリニューアル。今回は、新設される訓練科の中から『ロボットシステム科』にスポットをあて、新設される背景や目指す人材育成像、訓練内容の特徴などを紹介します。
“ロボットに命を吹き込むエンジニア”を育成
新設される『ロボットシステム科』が目指すのは、『ロボットシステムインテグレータ(通称:ロボットSIer)』の育成です。ロボットSIerとは、産業用ロボット導入の際、必要な計画を立案・提案し、運用までの設定・修正を行う仕事。製造現場に導入される産業用ロボットを現場で適切に使えるように組み上げ、周辺設備と連携させてセットアップする役割を担います。
現在、産業用ロボットは、自動車・自動車部品業界はもちろん、電子電気機械業界や食品・化粧品・医薬品業界など、その活躍の場面がますます広がっています。しかしながら、業界団体に加盟する企業の約98%が人材不足に悩んでいるそうです。こうした背景から、ロボット製造業や仲介業者の集積地である愛知県で『ロボットシステム科』が新設されることになりました。
設備も操作時間も 全国屈指の実習環境
『ロボットシステム科』いちばんの魅力は、定員30名に対して11台(指導員用含む)のロボットを実習機として設置していること。最新のロボット機種はもちろん、カメラ、PLC(機械の制御装置)、パソコンなども最新機種です。1年間の訓練時間1400時間のうち実習時間は約900時間を予定しています。
訓練では、午前中に座学で専門的知識を学び、午後から実習で体験しながら技術を習得します。ロボットを使う実習では3名が1組となって学びます。1名がロボットハンドの適切な位置を決める作業を行い、1名がプログラミング、1名が監督するという立場を担当し、3名が交代しながらそれぞれの役割を体験していきます。この3名という形は、実際の現場でも一般的な人員配置なんだそうです。つまり、実践的な環境で学び、しかも訓練生一人ひとりのロボットに関わっている時間も長いということです。こうした中で、お互いにコミュニケーションを取りながら作業を行うことで、連携力を磨くことにもつながると考えているそうです。
『ロボットシステム科』の準備を担当する専門員の高木伸幸さんによると「ロボット11台という教育環境は、他にはないほど充実していると思います」とのことでした。
現場基準の“本当に必要なスキル”を習得
『ロボットシステム科』では、現場で必要とされる知識や経験、技能を、ロボット制御や電気設計、機械設計、画像処理などの分野ごとに明確にした業界団体の指標・スキル標準(レベル1からレベル7まで)にもとづきながら、レベル3程度までのスキルを身につけられるカリキュラムを設定しています。
業界団体が定める基準に従った訓練をするため、学んだことがそのまま実践で役立ち、就職活動においても確かなアピールポイントになります。
『ロボットシステム科』における訓練の4本柱は、ロボット制御、電気制御、画像処理、情報通信です。専門的な知識がない訓練生でも、ロボットの構造はもちろん、電気配線、ネットワーク、プログラミングなど、基礎からしっかり学べます。
そして単純な動作から徐々に複雑な動作へとレベルアップ。最終的には、ロボットが連携して製造にあたる生産ラインを想定し、すべてのロボットが作業を行う実習へ。3名1組のグループがそれぞれの役割を分担し、一つの製造現場として機能するところまで学んでいくとのことです。
資格取得目標
- ロボットSI検定3級 〔希望者〕※受験は実習機と同一機種
- 工事担任者(第2級デジタル通信) 〔受験推奨〕
- 産業用ロボット特別教育(教示・検査) ※安全教育
- 第二種電気工事士 〔受験推奨〕 等
目指す主な職業
- ロボットシステムインテグレータ
- ロボットエンジニア
- ロボット保守・メンテナンス
- 電気制御技術者
- 設計技術者(電気、制御、シーケンス)
専門員からの声(訓練課(ロボットシステム科) 専門員 高木 伸幸さん)
「まずはロボットを動かす楽しさを感じてほしい」
ロボットを動かすのは難しそうと思う方が多いかもしれませんが、決してそんなことはありません。簡単な動作なら、すぐにできるようになります。実習では、ロボットを踊らせたり、ボールを投げさせたりしながら、ロボットの構造や動きについて学び、ロボットを操る楽しさをまずは知ってほしいと思います。プログラミングの考え方を学ぶため、カメラ付きドローンのプログラミング体験も検討中です。楽しみながら学ぶことを意識したカリキュラムですので、一緒にがんばりましょう。
INFORMATION
令和7年4月、三河高等技術専門校へリニューアル
岡崎高等技術専門校は、建物の老朽化にともなう建替え工事が完了し、現在、機器等の整備を行っています。地域のニーズを踏まえた専門校の集約とともに、これからの時代に即した人材育成に対応するため、『ロボットシステム科』と型枠・鉄筋工事等の施工技術や施工管理など建設業で必要なスキルを習得する『建築物施工科』を新設。
また、現在、東三河高等技術専門校で実施している、基本加工・軸組み等の一般住宅に関する施工技術やCAD製図などを学ぶ『建築総合科』を移設し、『住居建築科』としてスタート。令和7年4月からは三河地域の拠点校として、新たに三河高等技術専門校としてスタートします。
DATA
愛知県立岡崎高等技術専門校(岡崎市美合町字平端24番地)
訓練科
- 機械技術科(普通課程・2年)
- 住居建築科(普通課程・2年)〔2025年4月開講予定〕
- ロボットシステム科(普通課程・1年)〔2025年4月開講予定〕
- 金属加工科(短期課程・6か月)
- 3Dモデリング科(短期課程・6か月)
- 電気工事科(短期課程・1年)
- 総合造園科(短期課程・1年)【豊田市で実施】
- 建築物施工科(短期課程・1年)〔2025年4月開講予定〕
- 総合実務科(短期課程・1年)【知的障害者対象】
- 在職者を対象とした職業訓練「スキルアップ講座」も行っています。
ステップアップへ導く ~職業訓練校の魅力~
- ■授業料無料・・・短期課程は授業料が無料、普通課程でも授業料は年間6万円。
- ■知識・経験がなくてもOK・・・経験豊富な指導員が、一から丁寧に指導。
- ■実技重視のカリキュラム・・・年間1,400時間の実習量。一人一台の実習装置を使用できる環境で経験を重ね、実践力アップ。
- ■実務に役立つ資格を取得・・・就職活動でスキルをアピール。仕事をしていく上での技術の証明
- ■就職を最後までサポート・・・ハローワークと連携した支援や指導員による個別相談、キャリアコンサルタントによる面談など充実のサポート。専門校が企業から直接受けた求人もあり。