三河高等技術専門校
自分のやりたいモノづくり、きっとここで見つかる
〔機械技術科(普通課程:2年)〕
*令和8年4月 『モノづくりチャレンジ科(普通課程:1年)』に改編
三河高等技術専門校は、三河地域のモノづくり技術者・技能者の養成を目的とした訓練機関として、機械系、金属系、電気系、建築系、造園系の幅広い分野の訓練科を揃え、地域の人材ニーズに応えています。
その中で『機械技術科(普通課程:2年)』は、令和8年度から『モノづくりチャレンジ科(普通課程:1年)』として生まれ変わります。
そこで、リニューアルの狙いや訓練内容などについてお聞きしました。
自分の強みとなるモノづくりを探そう
現在の機械技術科は、さまざまな工作機械を用いた加工技術を訓練の柱に置き、設計・製図、CAD/CAM、機械制御、品質管理、安全衛生など、現場で必要とされる幅広い知識、技能を身につけることを目的とした訓練科です。令和8年度にスタートする『モノづくりチャレンジ科』では、これまでの機械加工メインの訓練から、機械設計・製図や電気・制御、板金・溶接、精密測定、IT基礎など、各分野の訓練をバランスよく配分し、幅広いモノづくり技術を習得できるカリキュラムに変更。1年間で効率的に広範囲な基本知識、基本技能を身につけることを目指しています。その背景には、「モノづくりに興味があるけれど、自分にできるか不安」「やりたいことが見つかっていない」など、関心はあるものの入校を躊躇している人が多いからだそうです。指導員の恒川 高志さんは、「まずはいろいろなモノづくりを経験し、その中で自分のやりたいこと、自分の強みとなる分野を見つけるきっかけにしてほしい。」と語っていました。
訓練を受け、ロボットについてもっと学びたい、3次元CADの技術をもっと磨きたいと思った訓練生は、修了後に今度はそれらの分野に特化した別の訓練科を受講することで、さらなるスキルアップを目指すこともできます。(注1)
就職先の幅を広げるだけでなく、さらに学びを深めるという選択肢も検討できる訓練科です。
(注1)ただし、別の訓練科を受講する場合には、改めて入校試験を受け、合格する必要があります。また、ハローワークの受講指示により訓練を受けている方は、制度上、連続して別の訓練を受講することはできませんのでご注意ください。
機械加工(フライス盤作業)
金属加工(溶接作業)
電気・制御に関する実習(シーケンス制御)
電気・制御に関する実習(ロボット)
できることが増えていく喜びを自信へ
「全く知識がないから訓練についていけるか不安」という人も多いかもしれません。しかし、機械技術科で訓練を受けている人のほとんどが知識ゼロからのスタート。「最初は機械や工具の名前も知らなかった訓練生が、数か月後には自分一人で実際に加工機を操作し、実技課題に取り組んでいます。未経験の方に寄り添い、基礎から丁寧に指導していくので安心してください。」と恒川さんはおっしゃっていました。
そこで、実習に取り組んでいる訓練生の様子を見学。訓練生は3次元CADを使って歯車ポンプの3Dモデリング(立体的な構造物を作成する作業)を行っていました。作業は図面を元に、画面上で一つひとつのパーツを立体化していきます。訓練生は時々、画面上の立体物を回転させながら、様々な角度から形状をチェック。
指導員の岩崎 春樹さんによると、訓練生からの質問で一番多いのは、エラーの原因についてだそうです。エラーは、寸法値の誤りや条件設定の不備により形状が成立しない場合など、さまざまな原因で発生します。訓練生は、その原因を仲間同士で話し合ったり、指導員にアドバイスを求めたりしながら、原因を探っていきます。様々な失敗経験から何かを学び取ろうという意欲が伝わってくる訓練の様子でした。
指導員も訓練生に対して一方的に説明するのではなく、一緒に考えていくというスタンスを大切にしているそうです。「失敗を重ねながらも粘り強く取り組む姿勢、仲間と協力して課題を乗り越える姿勢は、社会人としての基礎力にもつながっています。」とのことでした。
多彩な設備を活かした実践的な学び
三河高等技術専門校で学ぶ魅力の一つは、充実した設備環境です。機械技術科では、最新のNC工作機械(数値制御によって加工作業を自動化する機械)、三次元測定機、射出成形機など、実際の製造現場に近い設備が揃っています。また、実習時間も豊富なため機械操作に慣れる時間が確保でき、技術をしっかり身につけることが可能です。
NC旋盤
マシニングセンタ
射出成形機
三次元測定機
就活で強みとなる特別教育を拡充
『モノづくりチャレンジ科』へのリニューアルを機に力を注ぐことの一つが特別教育の充実(【資格取得目標】を参照)とのこと。特別教育とは、製造現場で機械を操作する際など、作業者の安全性を確保するために必須とされる教育であり、労働安全衛生法で義務付けられています。
企業では、特別教育を受けていない社員を特別教育が必要な業務に就かせる場合、事前に該当する研修を受講させる必要があり、その費用も企業が負担することになります。そのため、専門校での特別教育の拡充は現場からのニーズに応えた取り組みの一つといえます。
また、機械技術科でも実施していたインターンシップ型実習(3日〜5日間程度)は継続して行います。
このほか、キャリアコンサルタントによる就職相談、社会人スキル講座・演習なども引き続き実施し、就職サポートをきめ細かく行っていくとのことでした。
【資格取得目標】
●特別教育(無料)
・アーク溶接
・産業用ロボット(教示)
・研削といし(機械研削/自由研削)
・動力プレス
・低圧電気
・粉じん
●技能検定(有料/任意)
・機械加工
【目指す主な職業】
●機械加工技術者
●機械設計技術者
●電気制御技術者
●CAD/CAMオペレーター
●板金・溶接技術者
●生産設備保守・メンテナンス技術者
訓練生の声
「諦めずに取り組めば、自信につながります」
自分の手で形ある物を作りたいという思いが忘れられず入校を決めました。幅広い分野について学べるので、自分に適性のある分野と出会えるのではないかという期待もありました。ここで学ぶ魅力は、実習の時間が多いこと。自分で機械を動かし思い通りの成果物ができると大きなやりがいを感じられます。その一方で、小さなミスが精度に影響することも経験しました。その中で、集中して作業に打ち込む姿勢、作業手順を理解していかに効率よく段取りができるかを考える力が身についたと思います。
最初は難しいと感じることもありますが、繰り返し練習することでできるようになります。諦めず、やる気を持って取り組めば何とかなります。その甲斐あって目標としていた資格も取得できました。今後は、専門校で得た知識や技能を現場で活かせるように頑張りたいです。
修了生の声 (O・Yさん 勤務先:株式会社石亀工業(安城市))
「モノづくりに興味があれば大丈夫です」
私はモノづくりに興味があり、機械技術科に入校しました。機械加工や機械製図・設計など初めて学ぶことばかりでしたが、基礎からしっかり教えていただき、安心して専門校生活を過ごすことができました。
現在は、職場で機械加工の業務に携わり専門校で学んだことを活かしています。進路に迷っている方は、ぜひモノづくりの世界にチャレンジしてみてください。
指導員からのメッセージ (訓練課 岩崎 春樹さん)
「あなたの一歩をしっかり支えます」
技術力はもちろんですが、報連相(報告・連絡・相談)や安全意識、チームでの協働力など、職場で求められる基本的な力を訓練を通して身につけてほしいと考えています。モノづくりは人との連携が不可欠です。技術と人間力の両方を育てることを大切にして指導にあたっています。
新たな『モノづくりチャレンジ科』の基本方針は、「まずはやってみよう」です。さまざまな分野の訓練を経験する中で、自分の興味や得意なことを見つけてください。「自分にもできるかも」、「これならやってみたい」そんな気づきが、待っています。まずは、オープンスクールや体験会に足を運んでください。
DATA
愛知県立三河高等技術専門校(岡崎市美合町字平端24番地)
訓練科
機械技術科(普通課程・2年)〔令和8年度から募集停止 モノづくりチャレンジ科へリニューアル〕
住居建築科(普通課程・2年)
ロボットシステム科(普通課程・1年)
モノづくりチャレンジ科(普通課程・1年)〔令和8年4月開講〕
電気工事科(短期課程・1年)
建築物施工科(短期課程・1年)
総合造園科(短期課程・1年)
金属加工科(短期課程・6か月)〔令和8年度からメタルクラフト科へ科名変更〕
3Dモデリング科(短期課程・6か月)
●在職者を対象として職業訓練「スキルアップ講座」、知的障害者を対象とした「総合実務科(1年)」も行っています。
(令和7年8月取材)
