高校生向けキャリア教育


NGUキャリア開発プログラム
企業課題に挑む「BIPプログラム」で社会人力を磨く

 名古屋学院大学では、大学全体のキャリア支援に加えて、各学部が独自の「NGUキャリア開発プログラム」を展開しています。企業や地域と連携し、座学だけでは得られない実践的な経験を通じて、社会で必要な力を身につけるプログラムです。

 今回は、経済学部の「BIP(Business Innovator Producing)プログラム」に注目。中部電力やデンソー、名古屋市など、これまでに38もの企業・自治体と連携し、実際のビジネス課題に学生がチームで挑んできました。超実践的なプログラムをご紹介します。


2つの柱で学生の成長をサポート

 名古屋学院大学のキャリア教育は、2つの柱で構成されています。
 1つ目は、大学全体で行う就職支援。1年次からのキャリアデザイン授業や、キャリアセンターでの自己分析・エントリーシート対策・面接指導といった、就活の基礎をしっかり固めます。
 2つ目が、各学部独自の「NGUキャリア開発プログラム」。ここで実践的な経験を積み、社会で通用する本物のスキルを磨きます。
 この2つの柱で、学生の成長をサポートしています。


社会と大学のギャップを埋めたい

 BIPプログラムが始まったきっかけは、企業が求める人材と大学教育の間にあるギャップでした。
 企業は今、「自ら学びを得る姿勢」や「課題解決力」を持った人材を強く求めています。しかし、従来の座学中心の教育だけでは、それらの力を十分に育てることが難しかったのです。
 BIPプログラムは、企業が直面する課題に若年世代の目線で取り組むことで、学生は実践的な力を養い、企業側も新たな視点やアイデアを得られる──お互いにプラスになる仕組みとして設計されています。



「学生向け」じゃない 本物の企業課題に挑むプログラム



 BIPプログラムには、3つの特徴があります。
1 本物のデータを扱う
 社会で通用する力を養うには実際に存在する問題に立ち向かうことが必要であり、そのためには本物のデータが欠かせません。
 BIPプログラムでは、企業と機密保持契約を結び、実際に業務で使われている本物のデータを分析し、活用します。
 学生向けに加工されたデータではなく、企業が日々の業務で使っている実際のデータを扱うのです。

2 企業の担当者に直接プレゼン
 チームで考えた解決策を、企業の担当者に直接プレゼンします。「現実性がない。」、「何を言っているのかわからない。」と
 厳しい指摘を受けることも。でも、厳しい指摘を受けることで、本当の成長が始まるのです。

3 段階的に力をつけるステップアッププログラム
 1年生から3年生まで、段階的に学べる仕組みになっています。
 ・1年生:企業活動の基礎を学び、ビジネスの土台を作る
 ・2年生:データ分析に特化し、統計的な視点から課題を見つける力を磨く
 ・3年生:これまで培った力を活かし、実現可能性の高い提案を行う
 希望すれば、1年生の春学期から3年生の秋学期まで継続して受講し、最大6社との実践経験を積むことができます。



社会で求められる6つの力が身につく

 BIPプログラムでは、以下の6つの力を重視しています。
 論理的思考力、情報収集力、データ分析力、資料作成力、プレゼン力、対人対応力

 中でも特に重視しているのが「データ分析力」です。
 担当教員の経済学部  秋山太郎准教授は、「有名企業でもデータをたくさん持っているのに、それを活かしきれていないという状況が多い。データから課題を見つけ出し、解決策を考えられる力があれば、社会に出てから必ず重宝されます。」と話します。
 また、秋山准教授は、このプログラムの核心をこう説明します。
 「このプログラムで大切にしているのは、本気で企業の役に立とうとすることです。『自分の勉強のため』だけだと、自分のペースでやってしまう。でも『企業の方に認めてもらえる提案をしよう』と思うと、今の自分の力では足りないから必死に頑張るしかない。その『必死に食らいつく』経験が、本当の成長につながるんです。」


経済学部 秋山 太郎准教授


3か月の成果を発表──緊張の最終プレゼン





 令和7年12月、BIPプログラムの最終プレゼンテーションの現場を取材しました。
 1年生と3年生のあわせて17グループが2つの会場に分かれ、中部電力株式会社の担当者を前に、電力業界が抱える課題や消費者に選ばれるための新たなサービスについて、3か月間の成果を発表しました。
 
 会場には緊張した空気が漂う中、学生たちは工夫を凝らした資料を示しながら、業界の現状分析や課題、そして解決策を丁寧に説明していきます。中には実際に大学内でアンケート調査を実施し、データに基づいた提案を行うグループもありました。

 発表を聞いた中部電力の担当者からは、「どの提案も着眼点が非常におもしろかった。」、「お客さんのニーズをしっかりと把握することは、ビジネスの世界で重要になる。そういった姿勢を持って社会で活躍してほしい。」といった温かい言葉が寄せられました。
 一方で、プレゼンテーションのスキルについては「原稿を読み上げるだけでなく、ポイントを絞りながら、聞き手のほうを見て話すことを意識すると、もっとよくなる。」と、実践的なアドバイスもありました。




学生の声

「もう履修したくない」から始まった成長

 大学のオープンキャンパスでBIPプログラムを知り、「企業の方と直接対話できる機会は滅多にない。」と、その魅力に惹かれて入学を決めました。
 しかし、1年生の初めてのプレゼンは、トラウマレベルの失敗でした。提案内容が決まらず、前日までプレゼンで使うスライドが3枚しかない状態。夜中にチームでLINEをしながら必死に作って、先生に助けてもらってなんとか完成。でもプレゼンの練習はゼロ。原稿を読むことに精一杯で、何も伝えられませんでした。「もう履修したくない」と本気で思いました。


3年生 伊勢田 直緒さん


 それでも「これをやるためにこの大学に入ったのに、やめたら意味がない。」と2年生も続けました。すると少しずつ余裕が生まれ、自分のことだけでなく、チーム全体を見渡せるようになりました。1年生の失敗を踏まえて発表がうまくいった時、小さな喜びが自信に変わりました。
 人の目を見て話す、伝わる話し方をする──以前はできなかったことができるようになりました。入学時は平凡だと思っていた自分が、3年間やり抜いたという確かな自信を手に入れました。



「顔が真っ赤、頭が真っ白」を乗り越えて


3年生 九万田 憲吾さん


 人と話すのが本当に苦手でしたが、先輩から「プレゼン能力や資料作成力が伸びる。」と聞き、受講を決意しました。
 1年生の時は、発表すると顔が真っ赤になり、途中で頭が真っ白に。企業の方から「論理構成がおかしい。」、「何を言っているのか、わからない。」と厳しい指摘を受けることも。しかし、「平凡な大学生活を送るくらいなら、社会に出ても使える力を養って、自分を成長させたい。」と自分を奮い立たせ、3年間続けました。


 企業が抱える本物の課題に取り組む中で、知らない業界のことを一から調べ、理解し、提案する。それを繰り返すうちに、「今、自分が何を伝えなければいけないのか。」がわかるようになり、話すのがどんどん上手くなってきたと実感しています。
 今は就職活動の時期で、面接で年長者と話す機会が増えています。企業の方と話してきた経験が本当に活きています。座学だけでは得られない、実践的なスキルが身につくプログラムだと思います。


即戦力として評価される卒業生たち

 このプログラムを受講した卒業生は、就職先で高く評価されています。
 令和7年、BIPプログラム開講10周年を記念したフォーラムが開催されました。このフォーラムには、プログラムを受講した卒業生と、その職場の上司の方が登壇。座談会形式で、卒業生の職場での活躍ぶりについて語られました。上司の方からは、「1年目から、自分で考えて資料を作って分析もできている。戦力として活躍している。」という話がありました。
 秋山准教授は「社会で一番大事なのは、『どうにかしないといけない』と気になって動いてしまうマインドです。それに加えて、実行できるだけの経験とスキルも必要です。この両方を養うのが、BIPプログラムです。」と話します。
 プログラム開講から10年。その魅力は高校生にも広く知られるようになり、経済学部の推薦入試の面接では、秋山准教授の実感として8割以上の受験生がBIPプログラムを志望理由に挙げているそうです。



さらなる進化へ

 令和8年度からは、学生がより確実に力をつけられるよう、段階的な学びの仕組みを整える予定です。
 「まず座学でしっかり基礎を固め、その学びを確認したうえで企業連携の実践へ進むステップ制にします。基礎力を身につけた学生同士が切磋琢磨し、企業の方へさらに質の高い提案を届ける。その高い目標に挑戦することで、学生は大きく成長できると考えています。」と秋山准教授は抱負を語ります。



各学部の特色あるプログラム

 名古屋学院大学では、経済学部以外にも、各学部で専門性を活かしたプログラムを展開しています。ここでは国際文化学部の取り組みをご紹介します。


国際文化学部 「OB・OG交流会と企業訪問」

 国際文化学部では、低学年次からのキャリア形成教育として、1、2年次の授業で「OB・OG交流会」を開催。証券・物流・航空・ホテル・製造など多岐にわたる分野で活躍中の学部卒業生と触れ合い、国際文化学部の学びが職業・社会とどのように結び付いているのか、その理解を深めます。
 さらに、就職活動を目前に控えた2年次秋学期には、「企業訪問」を実施。実際の会社での体験を通して、自身のキャリア形成意識を具体化します。令和7年度は株式会社ジェイアール東海ホテルズ、公益財団法人名古屋国際センター、旭運輸株式会社などを訪問しました。







 このように名古屋学院大学では、大学全体のキャリア支援に加えて、各学部の専門性を活かしたNGUキャリア開発プログラムで、学生一人ひとりの成長をサポートしています。
 教室での学びを超えて、企業や社会との関わりの中で実践的な経験を積むことで、学生一人ひとりが将来の目標を明確にし、社会で活躍できる力を身につけることができる環境が整っています。


大学紹介

実践教育と地域連携で人材を育てる


 名古屋学院大学は、名古屋市と瀬戸市にキャンパスを持つ私立大学です。経済学部、現代社会学部、法学部、国際文化学部など多様な学部を擁し、実践的な教育と国際交流を重視しています。
 「敬神愛人」を建学の精神として掲げ、学生一人ひとりの個性を尊重した教育を展開。地域貢献や地域連携活動にも積極的に取り組み、企業や自治体との協働プロジェクト、ボランティア活動などを通じて、地域社会の発展に寄与しています。
 実社会で活躍できる、豊かな人間性と専門知識を備えた人材の育成を目指しています。


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(令和8年1月取材)